猫のお戯れ

オタクのほんわか感想ブログ

120円の春感想

おすすめ度★★★★☆
シナリオ 41/50
システム   6/10
キャラ      7/10
音楽         8/10
声優         7/10
絵            7/10

点数76

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春夏秋冬に当て嵌められた全四章からなる短編集。全年齢版だけあって成人向け描写は皆無ではあるのだけれど、それでもこのシナリオは成人に向けて作られていたように思う(Wikipediaに書いてあった)。日々に疲れた人にこそプレイしてもらい明日への活力にしてほしい作品です。
第一章の冬編が一番好み。

どこでもいいから行けるところまで行きたいと無賃乗車をした過去を持つ主人公が、数年後に全く同じことをしている少女に出会う話。偶然にも少女のコンタクトレンズを踏み砕いてしまった負い目から、逃避行に付き合うとこにした主人公が少女を通して過去の自分の行動を回想する。

幼い頃の主人公は日々消えていく万能感に恐怖を覚え逃避行に走る。そして駅員にバレて捕まった先で眩いばかりの星の輝きを目撃する。
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しかし、数年後たまたま出会った少女に付き合う先で、あの頃星の輝きだと思っていたものがパチンコ屋のネオンの光だったことに気付く。
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星の光がネオンの、しかもパチンコのネオンだったというしょーもない事実は、子供の頃感じた無限の可能性が年を取るごとに色あせていくという現実を表現しているように感じた。
コンタクトレンズをなくしてしまった少女が過去の主人公と同じような勘違いをして喜んでいる横で、大人になった主人公はつまらない事実に気付いてしまう。ここの展開は自分もかつて似たようなことを経験しているだけに心に突き刺さる。

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それでも、喜ぶ少女を傍らに見ながら、眼鏡を外して幼い頃に見上げた星をもう一度見ようとする主人公を見ると、僕ももう少し頑張れるような、そんな気がしました。



個人的には、冬、春、秋、夏の順番で好き。特に冬と春は頭一つ抜けてる。
シナリオも一章一時間くらいなので興味がある人はやってみたらいかがでしょうか。