おすすめ度★★★★★
シナリオ 46/50システム 6/10
キャラ 9/10
音楽 8/10
声優 8/10
絵 7/10
プレイする前、というかパケ絵を見た印象からしてガンアクション系だとばかり思っていたが実際は撃ったら負け、情報戦を制してこそ勝ちという珍しい世界観で最初から最後までバトルパートは一切なかった。いやまあここはバズーカぶっぱしてるけど。建物は無人です。あと複数主人公というかほとんどオムニバス形式。
あるはずもない非日常を求めて休学してだらだらと沖縄くんだりまで来た主人公が偶然にも非日常を生きる少女に出会ってしまったことから物語は始まる。
全五章で零章と一章は導入、二章は全体的なストーリー紹介、三章が過去編、四章で終わりとボリューム的にはかなり少ない。そもそもヒロイン固定だしね。まあそこがねこねこらしさなんだけど。
非日常は素晴らしいのだと二章までを使って表現してくる。
立場に守られ身の危険はほとんどないうえに一国の大統領クラスの政治家すら手玉に取る情報力と経済力、主人公も一端の諜報家になって非日常を満喫?して、スタイリッシュな展開とBGMも相まって向かうところ敵なしといった感じでストーリーは進む。
そして三章の過去編から風向きが変わってくる。ヒロインの病気をどんなことをしても治したかった主人公とそんな主人公と少しでもいいから普通の生活が送りたかったヒロイン。主人公がそのことに気付いた時にはすでにヒロインの命の灯は掻き消えていた。
ここら辺がねこねこの上手いところで非日常を魅力的に彩ったからこそ、登場キャラクターがその世界で非日常ではなく日常を求めることで日常の大切さがより浮かび上がってくる。
余談ですがここのサンドイッチのシーンはルリのかさね思い出しました。全体的に展開似てる感じあるしスカレ三章のリメイクがルリのかさねって言われても割と納得できてしまうかもしれない。
最終章でそれまでの非日常を捨てて日常に戻り数年たった主人公の前に颯爽と現れる九朗
最後の最後までかっこよかった。別れる直前まで主人公の事を忘れたふりをしてもう自分とは関係ないアピールしてからのケーキの差し入れは泣いた。
日常を生きる明人と非日常を生きる九朗の最後の邂逅がケーキ渡して終わりという非常にあっさりした展開だったのだけど、そのあっさり具合が二人の生きる世界の隔絶を表しているようで胸に響いた。
普通エロゲーは非日常を舞台にする場合が多い。異世界だったり超能力だったり。だけどねこねこは日常を主題にする。普段プレイヤーが過ごしている日常を描くからこそ、より深く共感できるのではないだろうか。ねこねこソフトやったことがない人はぜひ一度体験することをお勧めしたい。刺さる人は刺さる。ルリのかさねやってください。