猫のお戯れ

オタクのほんわか感想ブログ

Little Sick Girls ~幼馴染の恋人~感想

恋は病と言われるが、病は恋たり得るのか。

今作は愛欲欠如症候群(アフロディーテシンドローム)に罹患してしまった少女と巻き込まれてしまった少年の愛欲のストーリーである。アフロディーテシンドローム(以下、ADS)とは


対象の異性に対して様々な精神的欲求を催してしまうというもので罹患数10万人奏効率10人という難病の一つである。医学的見地では対象者の欲求を速やかに解消することが病状を悪化させないための唯一の手段とされており、罹患者が発作的に起こす性欲亢進に対応するため公共の場面での性行為が許可されているというセックスオープンな世界観が構成されている。ちなみにタイトルのLittle Sick Girl(s)(略してLSG)も専門科医によりADSと診断された少女たち全般を指して言ったりします[1]。
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平たく言えば『恋は盲目』を地で行く病気であり今作のヒロインは数種類あるADSの中でも依存型に罹患していて、主人公に依存し主人公の欲求を叶えることだけしか考えない状態になってしまっている。
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クラスのアイドルであり、エロゲ陰キャオタクの主人公も実は憧れていた美少女から一方的な好意を注がれてはいるが、感情の源泉は恋ではなく病から来ているという純然たる事実に苦悩する主人公の葛藤は非常に見所があり共感できる部分であった。普通の人間なら棚ぼた気分になって終わりになってもおかしくない状況に対して、シナリオ系エロゲオタ特有の面倒くさい純愛観念でヒロインのアタックに耐え続ける。なかなか出来ることではないよ。
昨今のストーリー開始時点から不自然なまでに主人公に好意を向けるヒロインへの、それを不自然に思わない主人公ばかりのキャラゲーへのアンチテーゼなのかもしれない。

ストーリーが進行していくに比例してヒロインの症状も悪化していき、人前であっても発情するようになってしまう。発情状態で放置すれば最悪廃人になってしまうので、発情した時は人目につかない所に行って発散してなんとかやり過ごしていた主人公であるが、ついに満員電車の中でヒロインが発情してしまう。そんな中、主人公に対して
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こいつ宗教やってんじゃねぇの、レベルのアドバイスをする男性が現れる。
この男性もパートナーがADSであり、主人公たちより長い時を共に過ごした言わば先輩であった。
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主人公はその先輩から一般的ではないADSの治療方法を教わる。性欲を解消しつくたうえで、空っぽになった欲求の部分に主人公の『治ってほしい』という欲求をぶつけることで主人公の願望を叶える依存型のADSは完治する可能性があるというものである。

しかし、完治してしまえば当たり前ではあるが病は消え去るということである。病が消えてしまえばそれに由来した恋愛感情のようなものも消滅してしまう。事実、今まで完治したADS罹患者達はその全てが破局してしまっている。
自分が好きだったクラスのアイドルから愛され、ADS罹患者のパートナーということで国からも援助金が入るという恵まれた状況を捨ててでもヒロインをもとに戻すことを決意する主人公は以前のエロゲオタクではなく、エロゲの主人公そのものになっていたように見えた。
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その後、はじけた主人公は思いつく限りの欲望を解放させていき、それでもヒロインの病気は治ることが無くついには倒れるところまで行ってしまう。
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倒れてから一週間後、目を醒ました主人公の前には病が完治したヒロインの姿があった。
正直ここなんで治ったのか良くわからなかったけど主人公の努力が実を結んだのだろう、多分。
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その必死な主人公の姿を見ていたヒロインは病気が治った後でも主人公を好きであり続けた。完治後の破局率100%を乗り越えたのはきっと主人公がヒロインの幸せを願い続けていたからだろう。

そう、病は恋たり得ないが、病は恋になり得るのである。





おすすめ度★★☆☆☆
シナリオ 35/50
システム   5/10
キャラ      6/10
音楽         6/10
声優         7/10
絵            7/10

点数66

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発売前に自分で持ち上げすぎてたので無理やり褒めてみたけど実際は面白くはない。安いのでエロ用ならいいかもしれない。
最期のこの終わり方はねぇわ。余韻ぶち壊しだし。ていうかラストCGよこせ。

1.^http://blog.livedoor.jp/msmstkn/archives/20108367.html