消えた世界と月と少女感想

おすすめ度★★★★☆

シナリオ 40/50

システム  4/10

キャラ     8/10

音楽        8/10

声優        7/10

絵           8/10

点数75

いろいろと(おもにシステム面で)突っ込みどころはあるものの展開と伏線回収は良かった。伏線が好きな人ならかなり満足できる出来になってたと思う。

まずシステム面としてバックログからジャンプがないのはいい加減に何とかしてほしい。もう必須でしょあの機能。そのくせクラウドセーブとかいう使わない人は一切使わない謎機能を搭載してる上に起動するたびに

いちいち確認してきてウザいことこの上ない。システム上でこれオフにできないし。
あと今流行りの右上にBGMのタイトルを表記するシステム導入してたけどこれをシステムでオフに出来ないというクソ。普通曲名表示をする場合はオンオフもプレイヤーが選べるようにしてるゲームがほとんどというかオフに出来ないゲーム初めてだった。曲名表示いらない自分としては邪魔でしょうがなかった。

ゲームの内容としてはびっくりするくらいしっかりしてた印象。もっとこう、酷い出来だと思ってたからその補正もあるけどそれでもちゃんとストーリー練ってて驚いた。

以下ネタバレと考察


体験版範囲でループ開始みたいな終わり方してたので完全にループ系だと思ってたけどまさかの疑似ループ系。主人公とヒロインが能力を使用してループしてると思わせておいて、実際は能力が発動したと二人が思ってる瞬間を狙って敵がガスで眠らせてリスポーン地点に戻していたいうネタ。ループ系のゲームは結構やったけどこれ系は初めてだった。これだけでもこのゲームやった価値ある。

・主人公が村に着いた初日に主人公と村人が月面上に人工的に作られた偽装村に拉致られる
・違和感がないように敵幹部の能力で洗脳
・体験版範囲のループ(笑)する前にて主人公とヒロイン以外の主要キャラ殺害
・ループ(笑)後は殺した村人はクローンで補完。クローンの記憶は敵幹部の能力で補完

……敵幹部の能力チート過ぎるんだよなぁ。月面上に作った偽装村も敵幹部が大気を制御して水を生みだして重力を制御してetc.etcをおそらく全部異能力でやってるとかいうチート。クローン製造技術はおそらく月の住民の化学力だろうけどクローンの成長速度が異常。作中の表現からして1週間とかそれより短い期間でクローン作らないとあの疑似ループ演出できないし。いやまあそこらへんも異能力でカバーしてましたとかいうなら話は違うけど。

疑似ループなのでストーリーは一本道。ラストの選択肢で二つのエンディングに分岐する作りになってた。

1.過去ルート
輝夜が覚醒して千年前にタイムスリップ。自分を犠牲にして敵(世界の穢れ)を封印して消滅。その結果未来が変わって主人公たちは生存。ラストはオリジナルのかぐや姫が輝夜復活させて終了。このルートでの語り部はオリジナルのかぐや姫。

2.未来ルート
主人公が

急に王になるとか言い出してガバ攻略法で世界の穢れを祓うと大言壮語。なぜか敵幹部も賛同して自分たちの上司を封印。まあチート能力持ってるからしょうがない感はある。絶対脳筋だもんこの幹部達。今回の語り部はオリジナルのかぐや姫に不死の能力を与えた不死の人。名前は出てこない。

ルートによってゲームの最初に出てくる語り部

の正体が変わってくる。だからこその仮面で、そこらへんもよく練られてると思った。

設定の粗に見えるガバも「敵幹部の能力で洗脳してたからセーフ」とかいう切り札があるので無敵感が凄かった。月につれてきた村人全員をいちいち洗脳して回って、クローン作るたびに記憶を植え付けてた第二席の幹部の苦労を考えるとちょっと同情してしまう。


典型的なループゲーと思わせておいてその上を行くシナリオは凄かったし面白かったけど不満な点も多かった。

まず、一週間以内に殺されることが分かってる状況でのんきにデートするのはちょっと。感情移入できんわ。

それと敵幹部「十二単衣」とかいう十二人からなる幹部集団だけど実際にストーリーに関わったの五人くらいだしセリフ三回くらいしか出なかった奴とか出番数クリックで終わるやつとか多すぎる。これ絶対見栄えの為の人数かさましなんだよな。「十二単衣」って言いたいがためにメンバー集めました感が凄い。しまいにはセリフないやつとか明らかに素人な声優のやつとかもういないほうがマシなんじゃないかレベルの幹部までいるし。シナリオが予想外に良かっただけにゲーム内容以外の「システム」や「声優」みたいな部分の粗が余計に目立ってた。

まあそれを考慮してもストーリー秀逸と言ってもいい域だったしなにより

絵のセンスがいい。というより背景の使い方がいい。

エロゲがワイド画面の対応して横幅が広くなってから目立つようになったんだけど


この手の「お前なんで斜めに立ってるの？」みたいな、CGでキャラを大きくしたいのは分かるけど横長の画面に対応しようとした結果ヒロイン傾いちゃう現象を

背景頑張ることによってアップにしなくても十分に一枚絵としての満足度を満たせるクオリティまで上げてきてたのは評価できる。


あと主人公のお父さんかっこよくて好き。能力も異能力の無効化とかいう主人公じゃん、みたいな能力だし。まあ戦闘描写ほとんどないけど。そこらへんは異能バトルというよりも伝記風ミステリのジャンルに寄せた結果なんでしょう。

絵買いした感のあるゲームだったけど予想以上にシナリオが良くてとても満足出来た。このメーカーの次回作なら期待して買える、と思わせてくれるゲームでした。
まあ次回作だすならバックログからジャンプは必須で搭載してほしくはある。




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最後に超個人的な内容なんだけど、このゲームはブログにバナー張った人の中で希望者をスタッフロールに乗せるとかいう意味不明な企画やってたんだけど、いい感じのシナリオやって、いい感じに余韻に浸りつつぼーっとエンディング眺めてたらさぁ、

こんなん草しか生えんわ。いい感じの余韻が全て吹っ飛んだわ。こんなんデスノートじゃん。
あと僕の名前を名乗って登録したやつほんと死んでほしい。まあだいたい誰がやったか予測はつくけど。

ゲーム内容は良かったけどそれ以外がお粗末すぎるので次回作はゲームの内容のクオリティは維持しつつも周辺環境をなんとかしてほしいと思いました。