新海が作りたい映画って本当にこんなんなのか?大衆受けを意識しすぎたせいで新海である必要がまったく感じられなかった。
◆良かったところ
・声に違和感がなかった。
天気の子は酷かったが、今作は違和感がない。前作はマジで酷かったからね。今作も俳優関連多かったと思ったんだけどみんな上手かった。
・前作キャラが出てこなかった。
天気の子ではファンサービスかなんなのか知らんけど瀧と三葉とかの君の名は。キャラをガンガン出してたけどそこに時間使ったせいで天気の子のキャラ描写が薄まってたんだよな。今作は一切出てこなかったので反省を生かしたのか。
書いてて思ったけどこれ良かったところって言っていいのか。マイナスがゼロになっただけじゃねーか。
◆悪かったところ
・メッセージ性が強すぎる。
辛いこと(地震)があったけどそれを乗り越えて生きていきます、みたいなのを実際にキャラクターに言わせるのはどうだろ。リアルで起こった地震をモチーフにしているからこそそこらへんは慎重に扱うべきだと思った。人が死んでんねんで。言葉で言わせるんじゃなくてキャラクターの行動で示して欲しかった。
・だいたいすずめが悪いのにほぼ反省してない。
扉を開いたまま放置したうえで要石を抜いて地震を起こす、要石をやってた神に考えなしに家族になろうとか言って草太が椅子にされる原因を作る、など。いやまぁ想定できない事態なのでしょうがないことではあるが、ダイジンには最後謝ってほしかった。要石としてずっと過ごしてきたところに優しい言葉をかけられたと思って喜んでたら草太君のほうが好きだからお前要石な!とか辛すぎる。陰キャオタク君がクラスのギャルに優しくされて惚れたけどギャルさんは同じクラスのイケメン君と付き合ってましたみたいな感じじゃんあれ。あそこだけ秒速5センチメートルじゃん。ダイジンがすずめに拒絶されたところが一番泣けるまであるわ。もう新海はオタク君を見てないんだなって改めて思い知らされたね。今の新海はリア充と子連れと大衆受けしか意識してないよ。
・昔出会った謎の人が未来の自分だった演出が使い古され過ぎてる。
オタク君はあの手の展開もう見飽きてるんですわ。別に良いんだけどね、王道だし。ただもうちょっと一捻り入れてほしかった。今回の作品は前二作に増して分かりやすさを意識しているように感じた。考察とかする余地がほぼないんだよな。せいぜい椅子の足がどこで消えたのかくらいだろ。
つまらないというよりは面白いところがないと表現するべき映画だった。演出は凝ってるし、シナリオも壮大ではあったかも知れないけど本当にそれだけで、二回目を見たいと思わせる力のない映画だった。